真空管ラジオ修理 エントリー

ダイナコ マーク3 修理 オーバーホール 山形県 K様

ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【修理後のシャーシ2台】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【修理前のシャーシ内部】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【修理・調整後のシャーシ内部】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【ブロックコンデンサ交換前と交換後】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【KT88グリットの発振防止抵抗の不良改善】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【バイアス用電源の改修】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【バイアス調整回路の部品交換とバイアス調整】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【初段基板の修理・組み替え】ダイナコ マーク3 修理 バイアス調整 山形県 K様 【ACプラグ付き電源コート交換、コード引き出し口のコードロック取付】

ダイナコ マーク3 真空管メインアンプ修理(オーバーホール)バイアス調整などを2台。

1976年(昭和51年)頃にダイナコから発売されたメインアンプのキット。出力管にKT88(6550)、初段に6AN8を採用した真空管メインアンプです。

使用真空管: KT88(6550)x2、6AN8、GZ34(5AR4)

ダイナコ マーク3を2台使用して、ステレオ メインアンプとした場合、左右にレベル差が生じる問題があり、修理(オーバーホール)のご注文をいただきました。

故障診断の結果、部品の劣化による故障と、当初の組立不良による不具合であることが分かりました。

2台(左右)同じ部品を使用して修理・オーバーホールを行った結果、内部電圧を含め、左右の特性が揃った真空管アンプに仕上がりました。


【状態および修理内容】


  • ブロックコンデンサ交換
    高温になるKT88に隣接するため、熱の影響で劣化しやすい部品です。拝見した時点では、すぐに交換が必要な状態ではないものの、いずれ交換が必要になる消耗品ですため、ご相談の結果、この機会に交換することになりました。
  • KT88のグリットに接続されている抵抗が接触不良(ハンダづけ忘れ)
    この抵抗に接触不良や断線が生じると、バイアスの供給が止まり、その結果、出力管に最大電流が流れ、出力管が著しく劣化したり、破損する場合があります。安全のため新品抵抗に交換し、接触不良を改善しました。
  • バイアス用電源回路の部品を全て交換して、セレンからダイオード整流に変更
    上記の通り、ダイナコ マーク3 は、適切なバイアスを常にかける必要があります。セレンやバイアス調整用の可変抵抗(ボリューム)などの部品に不良が生じた場合、出力管の破損に繋がるため、ダイオード化して全ての部品を交換しました。
  • 初段(真空管6AN8)基板の清掃・修理・組み替え
    2台のアンプにレベル差があった問題は、初段基板上の抵抗が断線していた事が主な原因です。
    また、周辺の抵抗値にも誤差が生じており、コンデンサも絶縁不良の状態でしたので、基板上の部品を全て交換しました。尚、2台のアンプの特性を揃えるため、全て同じ部品を使用して組み替えております。
  • 出力トランスのコアのビスどめ追加
    真空管アンプは、出力トランス次第で音が大きく変わります。ダイナコ マーク3は、とても優秀な出力トランスを搭載していますが、そのコアに緩みがあると、優秀な性能が十分に発揮できないため、中央2箇所ビスどめに加え、4箇所のビスとめを追加しました。
  • ACプラグ付きコードを新品交換
    古くなった電源コードは危険を伴いますため、安全のため新品コードに交換しました。また、シャーシからコード引き出す部分には、コードを保護するためのゴムブッシュが付いていますが、これが古くなるとボロボロに風化しますので、安全のため樹脂製のコードロックに交換しました。
  • 最終的に出力管と整流管を新品交換して、バイアス調整を行いました。バイアス調整は、真空管の耐久性も考慮して、少し控えめに調整しております。

ここでご紹介した修理写真は1台分ですが、ダイナコ マーク3 を2台使用して、ステレオ動作することを前提に、左右同じ場所に同じ部品を使い、2台の特性が揃うように仕上げ、修理が完了しました。

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