RCA MI-9335 真空管アンプ修理 神奈川県 N様
RCA MI-9335 真空管アンプ修理。
MI-9335は、トーキー映画用のパワーアンプとしてRCAが開発したもので、資料によると、1950年代の映画館用のメンテナンス・マニュアルに「MI-9335に搭載されているイコライザーを積極的に使用すべき」と記述があり、MI-9335は、この頃に映画館で使用されていたパワーアンプと推測できます。
イコライザーの内容は、60Hz以下ならびに5KHz以上をカットして、雑音を抑える目的と思われます。
独自のトーンコントロールも装備されていて、音質補正ができます。
このシャーシは業務用アンプシステムの一部で、オーディオ用アンプとして使用するための入力端子がないため、ピンジャック(コード出し)の取付けや、映画館用の上記のフィルタを使わないフラットアンプとしました。
また、過去に修理された形跡があり、少し大きなコンデンサが仮付けの状態で、外れそうでしたため、ラグ版を設置して、しっかりと固定しました。コンデンサは最新のコンパクト品に交換しました。
使用真空管:6J7 x2、6SN7GT x2、6L6 x2、5U4G
【状態および修理内容】
- 過去に修理したと思われる電解コンデンサが外れかけていたので撤去、コンパクト型の電解コンデンサで、回路図に指定された容量のものに交換、ラグ版を設置してしっかりと固定
- 既存の抵抗が不良のため、新しい酸化金属抵抗に交換
- 真空管6J7の出力部のカップリングコンデンサの容量が不適切でしたので、回路図で指定された容量のものに交換、これによりトーンコントロールの機能が効くようになりました
- 使用しないイコライザ(フィルタリング)回路への電源の供給を停止(最初の6J7は未使用)
- 端子版を固定する溶接が外れていたので、ボンドで接着た
以上の修理で、RCA MI-9335は、オーディオ用パワーアンプとして機能するようになりました。
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- 2020/01/17 17:00
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