DYNACO MARK-III 国内仕様 修理 神奈川県 N様
DYNACO MARK-III AC100V 国内仕様 モノラル パワーアンプ2台の修理。
1台は音が出ない不良、もう1台は「ブッツ」ノイズが出る不良でお預かりしました。2台のDYNACO MARK-IIIの状態を調査した結果、どちらも音が出る状態でしたが、2台目のMARK-IIIの真空管6550が、1本動作していない状態である事がわかりました。もう1台のMARK-IIIの「ブッツ」ノイズは、真空管の劣化が主な原因と思われますが、起動時後、安定してからノイズが確認できない状態でしたので、直ちに真空管の交換が必要と言える状態ではないと思います。
【状態および修理内容】
- 2台目のMARK-IIIの初段基板に故障が見つかり、出力管6550が1本(片方)が動作していない状態でした。基板修理の結果、プッシュプル回路の出力管6550が2本(両方)正常に動作するようになりました。
- 基板は過去に修理した跡が見られますが、新しいと思われる抵抗に不良がありました。また、古い抵抗の値にも変動が見られますので、この機会に基板上の抵抗を全て交換しました。
- 1台目のMARK-IIIの基板の抵抗のカラーコードが変色していました。外見に変化が見られる場合、良好な状態ではありませんので交換いたします。
また、2台のMARK-IIIは、ステレオで使用しますので、左右の特性を揃えるため、2台とも全て同じ部品に交換しました。 - 基板上の黒いコンデンサ(BLACK CAT)は、人気があるビンテージ部品です。取り外して検査したところ、良好な状態でしたので、継続使用いたします。その他3つのコンデンサ(写真3枚目の緑色枠内)も検査したところ、正常でしたので、継続使用いたします。
- 2台目のMARK-IIIのプリント基板のパターンが、8カ所、剥がれている部分が見つかりましたので、修復しました。また、1台目の真空管ソケットの半田付けにクラックが見つかりましたので、接触不良があった可能性があります。全て半田を修正しました。
- ブロックコンデンサの取り付けが緩く、ぐらぐらしていました。アースポイントが微妙に変わり、好ましい状態ではありませんので固定しました。
- 最後の写真は、DYNACO MARK-III修理後に動作中の様子です。
以上の修理により、DYNACO MARK-IIIの正常動作を確認しました。
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- 真空管アンプ修理・補修
- 2022/09/02 13:00
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