DYNACO mk3 ボリューム設置 入出力端子交換 修理 横浜市 S様
DYNACO mk3 パワーアンプ 入力ボリューム設置(改造)入出力端子交換を含む劣化部品交換の修理。
この修理ギャラリーでは、DYNACO mk3を多数ご紹介しておりますので、アンプの基本的なデータや、重複する修理内容の説明・画像は省略いたします。
今回はお客様よりご希望をいただきまして、入力レベル調整用のボリュームを設置する改造、入力端子の交換、スピーカー端子の交換を含む修理を行いました。また、電源スイッチが硬く動きにくい状態や、電源コードの被服が硬化して、安全面に問題があると思われる各部の交換など、劣化部品を交換しております。
【状態および修理内容】
- 入力レベル調整用のボリュームを設置する改造を行いました。フロントパネル側には高圧電源があります。高圧回路から離れた場所にボリュームを設置する必要があるため、リアパネルに取付けるかたちになります。
しかしながら、リアパネルにも空きスペースがなく、やむをえずプリアンプ用の電源端子を廃止して、そこにボリュームを設置しました。(再びプリアンプ用の電源端子を復旧する事ができるように改造しております) - 入力端子(RCAピンジャック)を金メッキ仕様の端子に交換しました。
既存のピンジャックと、取付け方法が異なるため、写真3枚目の通り、ピンジャックの上下にネジ穴が残ります。 - スピーカー端子を交換しました。
スペースに余裕がないため、大型のスピーカーターミナルへの交換はできない場所です。しかし、既存のスピーカー端子よりもコードの取付が簡単になり、しっかりと固定できる端子に交換しました。 - 電源コードと、コードプロテクターを交換しました。
電源コードの被服(ビニール)が、経年劣化でだいぶ硬化しており、割れる可能性があるため、安全面を考慮して交換しました。また、コード引き出し部分のゴムブッシュ周りも、安全対策が必要と判断したため、コードプロテクターに交換しました。 - 電源スイッチを交換しました。
DYNACO mk3を2台お預かりしましたが、1台の電源スイッチが非常に硬く、オン・オフする際、だいぶ指先に力を必要とする状態でした。2台とも新しい電源スイッチに交換して、スムーズにオン・オフできるようになりました。 - 初段管(真空管:6AN8)周辺(基板)の故障の修理実績も多くあります。現時点で正常動作しておりましたが、抵抗値の変動が見られるため、高精度品を選別したものに交換しました。
尚、「Black Catコンデンサ」を、できるだけ温存したいとご要望をいただくケースがあります。その場合は、絶縁状態や容量測定の結果、使用可能な場合は継続使用いたします。また、持込部品に交換する事も可能でございます。アンプと一緒にお送りくだささい。 - ブロックコンデンサを交換しました。
現時点では使用可能な状態でしたが、出力管(真空管:KT88)に隣接する場所にあり、高温で劣化しやすい環境にあります。液漏れ不良のケースも多いため、この機会に交換しました。
尚、写真7枚目の通り、外形が既存のブロックコンデンサよりもコンパクトになりましたが、容量は少し増えておりますので、劣る事はありません。コンデンサが進化した結果によるものです。 - その他、バイアス調整用可変抵抗の交換(接触不良ガリの改善)、バイアス電源部全ての部品交換、およびダイオード化(セレン廃止)、バイアス調整、シャーシ内部配線の未結線を結線、半田不良を修正など、全体を整備しました。
モノラルアンプは、2台とも同じ部品を使用して仕上げております。
以上の修理・整備でDYNACO mk3(2台)が正常動作する事を確認しました。
- TAG:ダイナコ
- 真空管アンプ修理・補修
- 2023/02/28 16:00
- この記事のURL